がまごおりじなる グルメキャンペーン

ガイドマップに載らない裏名所7選

愛知県有数の観光地・蒲郡。市内には、ランドマークでもある竹島をはじめ、温泉やテーマパークなど、さまざまな観光地が点在しています。でも、目を凝らしてよ〜く見てみると、蒲郡にはまだまだ多くの人に知られていない魅力がいっぱい!市内の飲食店でお腹いっぱい美味しいご飯を食べた後は、まだ見ぬ蒲郡の名所を覗き見してみてはいかがでしょうか?

蒲郡を一望

とよおか
展望遊歩道

とよおか展望遊歩道

長大滑り台があって眺望もいい「とよおか湖公園」。山側の調整池との間には遊歩道?があり、そこからの眺めはさらにすごい。ベンチに座って南を向くと、親子が遊ぶ公園の先にみかん畑、市街地、竹島と三河大島が浮かぶ海、そして空が見える。蒲郡を一望できるスポットだ。

〒443-0011 愛知県蒲郡市豊岡町曲り田110−262

なぜここに?

形原
ラウンドアバウト

形原ラウンドアバウト

ヨーロッパ発祥の円状交差点「ラウンドアバウト」。信号機が不要という利点の一方で、通過方法に慣れが必要で国内では普及していない。この希少交差点が形原温泉にある。通じる道は4本のみ、通過する車も少なめ。中央島(円形部分)には温泉の女神像?が慎ましく佇んでいる。

〒443-0102 蒲郡市金平町開戸

竹島だけじゃない!

堤防と松島

堤防と松島

蒲郡には竹島だけでなく「松島」もある。堤防の一部が陸地になっていて、小さな松林の中には上品なお地蔵さまがいらっしゃるのだ。「あの島も使ったら建築費用が浮くぞ」という発想で堤防が作られて、地続きになったのだろう。意図せずに生まれた不思議な観光スポットだ。

〒443-0105 愛知県蒲郡市西浦町大山

ローカルな魚市場

西浦鮮魚
マーケット

西浦鮮魚マーケット

夜明け前の暗い漁港に煌々と光る建物が見える。近づくと、大きく古い倉庫だ。9つのほどの鮮魚店がトロ箱から魚をどんどん出して売っている。新鮮で激安。毎朝、バケツ持参で買いに来る近所の人も多いらしい。家着どころか寝巻で来る人も。濃厚かつローカルな魚市場である。

〒443-0105 愛知県蒲郡市西浦町前浜

今はまだ静かな海辺

春日浦
シーサイドエリア

春日浦シーサイドエリア

整然と区画整理された場所に見事な一軒家が立ち並び、木々の向こうには明るく静かな海辺が広がる――。新しいカフェやレストラン、和食店が隣接しているので、歩き疲れたりお腹が減ったりしても安心。まだ見ぬアメリカ西海岸を妄想体験できるようなオシャレエリアだ。

〒443-0106 愛知県蒲郡市形原町春日浦

シュールな借景

新幹線公園

新幹線公園

正式名称は「向山公園」。遊具が多すぎずピクニックもできる広々とした公園でのんびりしていると、数分おきに豪速&爆音の新幹線が至近距離を横切っていく。その先には山と空しか見えない。シュールな借景だ。「今のは時間帯的にひかり?」などとマニアな会話も楽しめる

〒443-0022 愛知県蒲郡市三谷北通3丁目248

母へのプレゼント

草の家

草の家

周囲の田んぼと一体化したような平屋が塩津にある。屋根の全面を草が覆っているのだ。汲み上げた地下水が軒下からしたたり落ち、暑い夏の晴天でも涼しげ。地元を愛する母親のために、建築家の息子が2010年に建てた「母の家」が正式名称。親孝行な物語も含めて静かに眺めたい。

拾石川沿いの水田地帯の一角にあります。探してみてね。

蒲郡

たいていの人と
「二親等」でつながれる安心感と面白さ

「蒲郡って島っぽいね」
今から8年ほど前、県外から遊びに来てくれた友人夫妻が感想を漏らしたとき、僕は「当たり前だよね。低い山々と三河湾に囲まれているんだから」としか感じませんでした。

当時の僕には蒲郡の真価が見えていなかったのだと思います。島っぽいのは地形だけではなく、人間関係が影響していることに気づかなかったのです。

この町の面白さに気づいたのは、蒲郡駅周辺の飲食店に足しげく通うようになってから。見知らぬ人でも話をよく聞けば「二親等」ぐらいで僕とつながっているのです。

血縁という意味ではもちろんありません。年齢、住んでいる地域(常会)、出身中学校、勤め先、市内の好きなお店の5点を聞き出せば、「じゃあ、〇〇さんを知っとる?」という話ができます。そういうときに話題にする〇〇さんは人徳者です。話が盛り上がると少し親しくなれます。〇〇さんつながりという安心感です。だから二親等。

こういう人間関係も地方都市では「あるある」なのかもしれません。でも、10年前までは蒲郡と縁もゆかりもなかった僕(出身は東村山市立第三中学校です)が、駅前で楽しく飲み食いしているだけで市内在住のたいていの人と親しくなれるのは稀有なことではないでしょうか。

自分で言うのもなんですが、僕は寂しがりで社交的な人間です。友人知人ができやすい面もあるでしょう。でも、西尾市出身の妻に言わせると、結婚して蒲郡に引っ越して来る前の僕は「いじけやすくて面倒臭い」性質が強く出ていたそうです。

明るい方向になぜ変われたのか。気候は穏やかで、家賃は安く、東海道線の快速電車が利用できて、山も海も身近にあって農作物も魚介類も美味しい、などが複合的に影響しているのだと思います。そして、いつしか僕は「朗らかな三河のおじさん」の一人になりました。

明朗な人たちが「二親等」でつながる小さな町。それが蒲郡です。長く暮らすほど、その面白さとオリジナリティを享受できる気がします。

大宮 冬洋
ライター 大宮おおみや冬洋とうよう

<プロフィール>
1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。2012年夏、再婚を機に蒲郡市に移住。毎年3月に自分が好きな場所や店だけを紹介するフリーペーパー『蒲郡偏愛地図』を勝手に発行している。近著に『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)がある。